英語力とは?ビジネスで通用する5つの力と正しい伸ばし方

ビジネスシーンで英語を使って会話する日本人と外国人のビジネスパーソン。英語力の定義と、仕事で通用する5つの力を表現したイメージ。 キャリアアップ・ビジネス英語
点数では測れない。仕事で本当に必要な「英語力」を考える。
この記事は約11分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

「英語力が足りない」と思ったとき、まず考えるべきこと

「TOEICは800点以上あるのに、英語会議では何も言えない…」
「英文メールなら書けるけど、電話がかかってくると焦ってしまう」
——こんな経験、ありませんか?

英語学習をしている多くの社会人が、「自分の英語力」に対して漠然としたモヤモヤを抱えています。
でも、そもそも“英語力”って何を指すのでしょうか?

この記事では、「英語力」をはっきり言語化し、ビジネスで通用する力の中身を具体的に示します。
TOEICや点数だけに頼らず、「自分に必要な英語力は何か?」を見つめ直すヒントをお届けします。

読み終えたときのゴールはシンプルです。
「自分に必要な英語力(=伸ばすべきポイント)が分かり、次にやることが決まっている状態」になりましょう。

第1章:「英語力」の定義は、あなたの中で言語化できているか?

「英語ができるようになりたい」と思ったとき、多くの人はまず“スコア”を目指します。
TOEICや英検、あるいは「ペラペラ話せるようになりたい」というイメージ。
でも、それは本当に“あなたに必要な英語力”でしょうか?

ビジネスで必要なのは、英語そのものの知識量ではなく、英語を使って仕事の目的を達成する力です。
つまり、英語力は「できる/できない」ではなく、どんな場面で、何を、どこまでできるかで定義したほうが、現場では役に立ちます。

たとえば、日本語では当たり前に使う「お気に入り」という言葉も、 英語ではそのまま訳すと意味がズレることがあります。
favorite だけでは通じない場面も多く、 文脈に応じた使い分けが必要です。

👉 「お気に入り」を英語でどう使い分けるかを、意味別・場面別に整理しました

💬よくある誤解

  • ✔ 発音が良い=英語ができる
  • ✔ 語彙が多い=通用する英語力がある
  • ✔ TOEICの点数が高い=話せる

どれも一面では正解です。
ただ、現場では「正しさ」より先に、相手の理解が進み、会話が前に進むかが評価されます。だからこそ、英語力は“能力の羅列”ではなく、目的達成のために働く総合力として捉えるのが近道です。

🧪実例:TOEIC850点のBさんが会議で沈黙した理由

ある企業で英語を使うBさんは、TOEICスコアが850点あり、英文メールも問題なくこなしていました。
ところが、英語会議で「意見をどう思う?」と振られた瞬間、言葉が出なかったそうです。

理由はシンプルで、語彙や文法が足りなかったのではなく、「短く要点を言う型」が手元になかったから。
このように、“使える英語力”は一つの能力ではなく、複数の力が組み合わさった総合力なのです。

ノビオとマツ姐の対話|第1章:TOEICと実力は別モノ?

ノビオ:「僕もTOEICは高いけど、英語での提案はうまくできないんだ…」

マツ姐:「それ、“点”はあっても“線”がないってことよ。つまり、つながっていないの」

ノビオ:「線…つまり“使う力”ってこと?」

マツ姐:「そう。英語力は、目の前の目的に向かって“働く力”なのよ」


次章では、この“使える英語力”を5つの力に分解して、あなたの課題がどこにあるかを整理します。


第2章:ビジネス英語に必要な“5つの力”

ビジネス英語に必要な5つの力を図解で示したイメージ。聞く・話す・読む・書く・異文化理解の要素が英語力として整理されている。
英語力は「5つの力」の組み合わせでできている。

「英語力を伸ばしたい」と思っても、何をどう伸ばすべきか分からない…という人は少なくありません。
そこでここでは、ビジネスの現場で求められる“使える英語力”を5つに分解して整理します。

ポイントは、テストの点数を上げることではなく、仕事の目的を達成するために英語を機能させることです。
「自分はどこが弱いのか?」をチェックしながら読み進めてください。

① 聞く力|リスニング+意図を汲む力

リスニングは「単語が聞こえるか」だけではありません。
会議や商談では、相手が何を言いたいのか(結論・懸念・優先順位)を素早く掴む必要があります。

たとえば英語会議でのつまずきは、語彙不足よりも、要点が拾えず会話の流れに乗れないことが原因になりがちです。
「聞く力」は、理解+要約+確認まで含めて鍛えると、実務で一気に効いてきます。

② 話す力|瞬発力と“構成”

発音の綺麗さよりも大事なのは、短く・順序立てて・相手が理解できる形で話せることです。
ビジネスでは、長い英語より「要点が通る英語」が評価されます。

たとえば次のような“型”があると、英語が流暢でなくても伝わります。

  • PREP:結論 → 理由 → 具体例 → 結論
  • STAR:状況 → 課題 → 行動 → 結果

「言いたいことがあるのに出てこない…」という悩みは、英語力というより話し方の構成が決まっていないケースが多いです。

③ 読む力|文脈理解と情報スキャン

英文メールや資料を読むとき、すべてを訳す必要はありません。
実務で求められるのは、目的に合わせて必要情報を拾う力です。

たとえば、次のように“読む目的”が違えば、読み方も変わります。

  • 会議資料:結論・判断材料・次アクションを拾う
  • 契約や条件:数字・例外・期限・責任範囲を確認する
  • メール:要件・依頼・期限・質問点を把握する

「読む力」は、英語力というより仕事の読み取り力にも直結します。

④ 書く力|簡潔に・正確に・目的を果たす

ビジネス英語の“書く力”は、文学的に上手い文章ではありません。
相手に必要な情報が伝わり、相手が動ける文章になっているかがすべてです。

実務では、文法の細部よりも、次の3点で評価が決まります。

  • 結論が早い(何のメールか一読で分かる)
  • 要件が明確(依頼・確認事項・期限が具体的)
  • トーンが適切(丁寧すぎず、強すぎず)

つまり“書く力”は、英語の文章力というより仕事を前に進める設計力です。

⑤ 異文化理解と共感力|信頼を壊さないための“前提”

最後の5つ目は、意外と見落とされがちですが重要です。
英語が正しくても、文化的な前提がズレていると、信頼関係が崩れることがあります。

たとえば、同じ“Yes”でも、国や相手の立場によって意味合いが違うことがあります。
また、結論を先に言う文化・背景説明を重視する文化など、「伝え方の好み」も違います。

ビジネスでは、英語力=語学力だけではなく、相手の理解・感情・関係性まで含めて目的を達成する力です。ここまで含めて“使える英語力”になります。

🧪現場感:求められるのは「正確に伝える」+「意図を汲む」

英語の現場で強い人は、必ずしも「難しい英語」を使っているわけではありません。
正確に伝え、相手の意図を汲み取り、会話を前に進める——この総合力がある人です。

ノビオとマツ姐の対話|第2章:読むだけじゃ、使えない?

ノビオ:「僕、“読むのは得意”って思ってたけど、実際の会議資料では“何を見ればいいか”が分からなくて…」

マツ姐:「それって、“読解”じゃなくて“目的に応じた読み取り”ができてないだけなのよ」

ノビオ:「なるほど。目的を持たないと、“読む力”も活かせないのか」

マツ姐:「英語力って、単体じゃなくて“使う構造”の中にあるのよ」


次章では、「周りと比べて焦る」「自分のレベルが分からない」といった、よくある悩みの正体をほどきながら、英語レベル感との向き合い方を整理します。


では、こうした「使える英語力」を実際の仕事でどう形にすればよいのでしょうか。
その答えの一つが、よく使われる定型フレーズを、自分の業務に合わせて持っておくことです。

会議・交渉・メールといった場面別に、
そのまま使える実践表現をまとめたページはこちらです。

👉 ビジネス英語フレーズ50選|会議・交渉・メールですぐ使える表現集

第3章:「英語レベル感」との向き合い方

「周りはTOEIC900点台ばかりで、自分はまだ700点…」
「会議で流暢に話す人を見ると、正直ひるんでしまう」
——こうした“英語レベル感への焦り”は、多くの社会人が感じているものです。

しかし、その焦りの正体は、本当に英語力そのものでしょうか。
多くの場合、問題は「能力」ではなく、比較の軸がズレていることにあります。

📏 TOEIC・CEFRは「現在地」を示す地図にすぎない

TOEICや英検、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)は、英語力を客観的に測る指標として有効です。
ただし、それはあくまで「現在地」を示す地図であって、ゴールそのものではありません。

実務では、次のようなケースは珍しくありません。

  • TOEIC900点でも、会議で発言できない
  • TOEIC600点台でも、電話対応や交渉ができる
  • スコアは高いが、英文メールに時間がかかる

これは、「点数」と「実務で使う英語力」が完全には一致しないことを示しています。

🔄 比べるべきは「他人」ではなく「自分の業務」

英語力で悩みやすい人ほど、無意識に周囲と比較しています。
しかし、実務で本当に重要なのは、「自分の仕事に必要な英語が足りているか」という一点です。

たとえば、次のように考えてみてください。

  • 英語会議で内容が追えない → リスニング+要点把握
  • 意見を求められると黙ってしまう → 話し始める型
  • メール返信に時間がかかる → 定型表現と構成

こうして整理すると、課題は「英語力が足りない」ではなく、必要な力が部分的に不足しているだけだと分かります。

🧪 実例:焦る人と伸びる人の決定的な違い

ある企業の英語研修(約200名)では、次のような傾向が見られました。

  • 点数目標だけの人 → 中盤で学習が止まりやすい
  • 業務課題ベースの人 → 実務対応力が着実に伸びる

後者の人たちは、「英語ができる人になりたい」ではなく、
「この場面で困らない自分になりたい」という視点で学習していました。

ノビオとマツ姐の対話|第3章:900点でも不安?

ノビオ:「先輩、TOEIC920点あるのに“会議で発言できない”って言っててさ…」

マツ姐:「それはね、“会議で話す力”と“試験の点数”は別物だからよ」

ノビオ:「じゃあ、点数が高くても不安になるんだ…」

マツ姐:「逆に言えば、自分の仕事に合った力を伸ばせば、点数が完璧じゃなくても通用するってこと」


次章では、「TOEIC〇〇点」といった数値目標から一歩進み、
実務に直結する“行動ベースの目標設定”について具体的に解説します。


第4章:英語学習の目標設定は「数値」だけにしない

「TOEIC〇〇点を目指す」
英語学習の目標として、もっともよく聞く設定です。
もちろん、分かりやすくモチベーションにもなります。

ただし実務の現場では、点数を達成しても仕事がラクにならないというケースが少なくありません。
その理由は、目標が「結果(数値)」だけに向いてしまっているからです。

📌「使える自分」を想像できる目標を持つ

ビジネス英語を伸ばすうえで効果的なのは、
「できるようになった自分の行動」を具体的に描ける目標です。

たとえば、次のような目標は、今日から行動に落とし込みやすくなります。

  • 英語会議で、月に1回は質問できるようになる
  • 英文メールを、毎回30分以内で書けるようにする
  • 海外パートナーと、5分間の電話対応ができるようになる

これらはすべて、「測れる行動」であり、実務と直結しています。
点数と違い、「今日の仕事」で試せるのが大きな強みです。

🎯 数値目標は「補助輪」として使う

数値目標が悪いわけではありません。
ただし、それは主役ではなく補助輪として使うのが現実的です。

おすすめは、次のような組み合わせです。

  • 主目標:英語会議で週1回は発言する
  • 補助目標:TOEIC+100点を目安にする

こうすると、「点数のための勉強」ではなく、
仕事で使うための学習として英語に向き合えるようになります。

📊「見える化」できる仕組みを使う

行動目標は、続けられなければ意味がありません。
そこで役立つのが、学習や行動を「見える化」できる仕組みです。

たとえば、次のような視点で管理すると継続しやすくなります。

  • 今週、英語で発言した回数
  • 英文メールにかかった時間
  • 聞き取れなかった会議ポイントの数

数字は「評価」ではなく、改善のヒントとして使いましょう。
できなかった日は失敗ではなく、次に何を調整するかを考える材料です。

🧪 実例:目標を変えたら、英語が回り始めた

英語学習歴2年のCさんは、「TOEIC700点」を目標に勉強していましたが、
仕事で英語を使う場面では、ほとんど変化を感じられずにいました。

そこで目標を、「月に1回、会議で英語で発言する」に変更。
すると3か月後には、週1回ペースで自然に発言できるようになったそうです。

本人いわく、「点数より“使う場面”を意識した方が、迷いが減った」とのこと。
目標の向きが変わるだけで、行動と結果が連動し始めた例です。

ノビオとマツ姐の対話|第4章:目標は“数字”より“行動”

ノビオ:「ずっと“800点”を目指してたけど、正直、仕事では変化を感じなくて…」

マツ姐:「それはね、“目標が自分の外”にあるからよ。数字は動かせないでしょ?」

ノビオ:「たしかに…。じゃあ、行動目標にした方がいい?」

マツ姐:「そう。“今週、何ができるか”が見える目標にすると、英語は回り始めるの」


次はいよいよまとめです。
ここまで整理してきた「英語力の正体」と「伸ばし方」を一本の線として振り返ります。


まとめ:「英語力」は点数ではなく、“使える線”で考える

ここまで見てきたように、ビジネスで通用する英語力は、
単なるスコアや語彙量、発音のきれいさでは測れません。

本当に必要なのは、仕事の目的に向かって英語を使えるかどうか
そのための英語力は、次の要素が組み合わさった「総合力」です。

  • 相手の意図をくみ取る「聞く力」
  • 要点を整理して伝える「話す力」
  • 必要な情報を抜き出す「読む力」
  • 行動を促す「書く力」
  • 信頼関係を築く「異文化理解と共感力」

これらはバラバラに存在するのではなく、
実務の中で一本の「線」としてつながって初めて機能します。

英語力を伸ばす近道は「点数」より「行動」

TOEICやCEFRなどの数値は、現在地を知るための「地図」としては有効です。
しかし、それ自体がゴールになると、英語はなかなか仕事で回り始めません。

大切なのは、「何点取るか」ではなく「何ができるようになるか」
英語会議で発言する、メールを素早く書く、短時間の電話対応をする——
こうした行動ベースの目標が、実務英語を育てます。

まずは「1つの場面」からでいい

すべてを一気に伸ばそうとする必要はありません。
むしろ、多くの人が挫折する原因は、目標を広げすぎることです。

おすすめは、次のように場面を1つに絞ること。

  • 会議で一言、質問できるようになる
  • 英文メールをテンプレで迷わず書けるようになる
  • 定番フレーズで交渉の切り出しができるようになる

1つできるようになると、英語は「怖いもの」から「使える道具」に変わります。
そこから、次の場面へ自然に広がっていきます。

関連記事で「使う英語」を補強する

フレーズは暗記するものではなく、使うための部品です。
必要な場面で、必要な一言が出てくる状態を目指しましょう。

今のあなたにとって、本当に必要な英語力は何でしょうか?
ぜひ1つだけ、具体的な行動として書き出してみてください。

英語ができる人は、才能がある人ではありません。
使い続けた人です。

このページが、あなたの英語を
「勉強している状態」から
仕事で使える状態へ進めるきっかけになれば幸いです。