「英語力が足りない」と思ったとき、まず考えるべきこと
「TOEICは800点以上あるのに、英語会議では何も言えない…」
「英文メールなら書けるけど、電話がかかってくると焦ってしまう」
——こんな経験、ありませんか?
英語学習をしている多くの社会人が、「自分の英語力」に対して漠然としたモヤモヤを抱えています。
でも、そもそも“英語力”って何を指すのでしょうか?

この記事では、「英語力」の定義をはっきり言語化し、ビジネスで通用する力の中身を具体的に示します。
TOEICや点数だけに頼らず、「自分に必要な英語力は何か?」を見つめ直すヒントをお届けします。
第1章:「英語力」の定義は、あなたの中で言語化できているか?
「英語ができるようになりたい」と思ったとき、多くの人はまず“スコア”を目指します。
TOEICや英検、あるいは「ペラペラ話せるようになりたい」というイメージ。
でも、それは本当に“あなたに必要な英語力”なのでしょうか?
💬よくある誤解
- ✔ 発音が良い=英語ができる
- ✔ 語彙が多い=通用する英語力がある
- ✔ TOEICの点数が高い=話せる
どれも一面では正解ですが、ビジネスで求められるのは単なる“能力の羅列”ではありません。
求められるのは、「英語を使って目的を果たす力」です。
🧪実例:TOEIC850点のBさんが会議で沈黙した理由
ある外資系企業に勤めるBさんは、TOEICスコアが850点あり、英文メールもこなしていました。
ところが、いざ英語会議で「意見をどう思う?」と話を振られた瞬間、言葉が出なかったそうです。
「語彙や文法は頭にある。でも、それを“発信する設計力”がなかったんです」と、彼は振り返ります。
このように、“使える英語力”は一つの能力ではなく、複数の力が組み合わさった総合力なのです。
ノビオとマツ姐の対話|第1章:TOEICと実力は別モノ?
ノビオ:「僕もTOEICは高いけど、英語での提案はうまくできないんだ…」
マツ姐:「それ、“点”はあっても“線”がないってことよ。つまり、つながっていないの」
ノビオ:「線…つまり“使う力”ってこと?」
マツ姐:「そう。英語力は、目の前の目的に向かって“働く力”なのよ」
第2章:ビジネス英語に必要な“5つの力”
「英語力を伸ばしたい」と思っても、何をどう伸ばすべきか分からない…という人は少なくありません。
そこで、実際のビジネス現場で求められる“使える英語力”を5つに分解してご紹介します。
点数では測れない、現場で活きる英語の力。あなたの課題がどこにあるか、チェックしながら読み進めてください。

① 聞く力|リスニング+空気を読む力
単に「聞き取れる」だけでなく、話の意図や相手のニュアンスを読み取る力。
特に会議では、“言葉にされない”サブメッセージを汲み取る能力が重要です。
② 話す力|瞬発力と構成力
発音の綺麗さより、「伝える構成」を持って話せるかがカギ。
PREP法(結論→理由→具体例→結論)やSTAR法(状況→課題→行動→結果)を活用できると、相手に伝わる話し方ができます。
③ 読む力|文脈理解と情報スキャン
英文メールや資料を「すばやく・正確に・目的を持って」読む力。
すべてを訳すのではなく、「今、何を知る必要があるか?」という情報選別力が問われます。
④ 書く力|簡潔に・正確に・目的を果たす
ただ丁寧なだけでなく、相手に“アクションを促す”英文メールが書けるかどうか。
文法より「目的」や「結論の位置」が成果を分けます。
⑤ 異文化理解と共感力
英語力に関係なく、文化的な配慮や感情への共感は国際的な信頼関係を築く上で不可欠。
“Yes”の裏にある「でも本音は…」を察する力が、ビジネスを左右することも。
🧪データと実感:現場の声から見えてきたリアル

アルクの「ビジネス英語スキル実態調査」でも、求められる力として最も多く挙がったのは、“正確に伝えるスピーキング”と“相手の意図を汲むリスニング”でした。
現場では、テストでは測れない“伝え方”と“聞き方”が信頼を生む要素になっているのです。
ノビオとマツ姐の対話|第2章:読むだけじゃ、使えない?
ノビオ:「僕、“読むのは得意”って思ってたけど、実際の会議資料では“何を見ればいいか”が分からなくて…」
マツ姐:「それって、“読解”じゃなくて“目的に応じた読み取り”ができてないだけなのよ」
ノビオ:「なるほど。目的を持たないと、“読む力”も活かせないのか」
マツ姐:「英語力って、単体じゃなくて“使う構造”の中にあるのよ」
第3章:「英語レベル感」との向き合い方
「周りはTOEIC900点台ばかりで、自分はまだ700点…。やっぱり自分は劣ってる?」
そんな“英語レベル感への焦り”は、多くの社会人が抱える見えないストレスです。
でも、ちょっと待ってください。
レベルは確かに目安になりますが、“どこまでできるか”より、“何が必要か”が大事な視点なのです。
📏TOEICやCEFRは“地図”、でも“ゴール”じゃない
TOEICや英検、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)などは、「現在地」を示すには便利なツールです。
でも、それだけで実務の力を測ることはできません。
実際、TOEIC900点の人でも「英文メールが苦手」、600点台の人でも「電話応対は得意」というケースは珍しくありません。
🔄「周りと比較」より「業務と照合」

他人の点数を気にするよりも、自分の仕事内容に必要な英語力を明確にする方が、実用的で前向きです。
- 英語会議で聞き取れない → リスニング&要約力の強化
- 上司に報告できない → スピーキングの構成訓練
- 返信が遅れる → 英文メールテンプレの習得
🧪一次情報:焦る人・伸びる人の違い
英語研修を受けた200名の学習者を観察した結果、「点数目標だけで学んでいた人」は中盤で挫折しやすく、
「業務上の課題から逆算して取り組んだ人」は、着実に“実務対応力”を身につけていました(某企業研修データより)。
ノビオとマツ姐の対話|第3章:900点でも不安?
ノビオ:「先輩はTOEIC920点あるのに、“会議で発言できない”って悩んでて驚いたよ」
マツ姐:「それは“会議で発言する力”と“試験の点数”は別物ってことね」
ノビオ:「たしかに僕も、点数より“使えるか”で悩んでたな」
マツ姐:「英語力は“他人との勝負”じゃなくて、“自分の業務”とどう向き合うかよ」
第4章:英語学習の目標設定は“数値だけ”にしない
「TOEIC〇〇点を目指す」
このような目標設定は分かりやすい反面、達成しても実務に直結しないという声も多く聞かれます。
学習のモチベーションを持続させ、ビジネスで使える英語力に育てるためには、“行動ベースの目標”が効果的です。
📌「使える自分」を想像できる目標を持つ

数字だけではなく、「何ができるようになるか」という目標を立てましょう。
以下のような“具体的な行動イメージ”が、実践力に直結します。
- 例①:「英語会議で週1回、質問できるようになる」
- 例②:「3ヶ月後、英文メールで上司に報告ができる」
- 例③:「月末に海外パートナーと5分の電話ができる」
📊「見える化」できるサービスを活用する
スタディサプリENGLISHでは、学習時間や達成率が可視化されるため、“やった感”を得やすく継続しやすいと好評です。
また、アルクの通信講座では「業務別×課題別」などの具体的なゴール設計が可能です。
こうしたサービスを活用することで、「何となく勉強している」状態から抜け出せます。
🧪実例:Cさんが“発言1回”を目標に変えた結果
英語学習歴2年のCさんは、「TOEIC700点」から伸び悩んでいました。
目標を「月に1回、会議で英語で発言する」に変えたところ、3ヶ月後には週1で自然に発言できるように。
彼は「点数より、“できるようになる場面”を目指した方がやる気が続いた」と話します。
ノビオとマツ姐の対話|第4章:“話す自分”を目標に
ノビオ:「“TOEIC800”を目指してたけど、正直数字だけだとモヤモヤしてて…」
マツ姐:「それは“目標が自分の外”にあるからよ。行動を変える目標の方が強いの」
ノビオ:「じゃあ“月に1回、英語で意見を言う”とかにすればいいのか」
マツ姐:「そう。それなら“今日から”準備が始められる目標になるでしょ?」
まとめ:「英語力」は点数ではなく、“使える線”で考える

英語力とは、単なるスコアや発音の綺麗さではなく、「目的に向けて使える力」のこと。
その中には、聞く・話す・読む・書く、さらには共感や異文化理解といった要素も含まれます。
「英語ができるようになりたい」と思ったとき、まず必要なのは、“自分にとっての英語力”を言葉にすることです。
点数を追いかけるのではなく、「できるようになりたい行動」を目標に設定することが、成長の近道になります。
そして、焦らず、自分の業務や環境に合ったペースで、「聞けるようになる」「言えるようになる」瞬間を積み重ねていきましょう。
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今のあなたに必要な“英語力”は何ですか?
それを1つだけ紙に書き出してみてください。そこから、あなたの“使える英語”が始まります。
