第1章:空港でのフレーズ(9)
海外出張は、空港から始まります。そして実はここが一番「英語が出てこなくなる場所」です。
理由はシンプルで、緊張・移動疲れ・時間制限が重なるからです。完璧な英語を話そうとすると、頭が真っ白になります。
だからこそ空港英語の基本は、短く・具体的に・一文で言い切ること。
空港で使う英語は、実は3パターンに分類できます。
- 依頼する(Request) — 席・荷物・サポート
- 確認する(Confirm) — 時間・搭乗口・規則
- 状況を伝える(Explain) — 遅延・接続便・問題
この3つを押さえておけば、空港ではほぼ困りません。
チェックイン
チェックインでは「予約していること」と「希望」を伝えれば十分です。余計な説明は不要です。
- “I’d like to check in for my flight to [destination].”
([目的地]行きの便にチェックインしたいです。) - “Can I have an aisle seat, please?”
(通路側の席をお願いできますか?) - “Do you have any upgrades available?”
(アップグレードの空きはありますか?)
ポイント:“I’d like to…” は柔らかく、かつ意思が明確に伝わる万能表現です。
保安検査(セキュリティ)
セキュリティでは、ルールが国ごとに違います。分からないときは必ず確認しましょう。黙って間違えるより、聞いた方がスムーズです。
- “Do I need to remove my laptop from my bag?”
(ノートPCはバッグから出す必要がありますか?) - “Is there a separate line for business class?”
(ビジネスクラス用の列はありますか?) - “Can I keep my shoes on?”
(靴は履いたままで大丈夫ですか?)
コツ:疑問形+短文で十分です。長い説明は必要ありません。
機内でのお願い
機内では“Could I…”が基本形です。丁寧で自然、そして世界中で通じます。
- “Could I get a blanket, please?”
(毛布をいただけますか?) - “What time will we be landing?”
(着陸予定時刻は何時ですか?) - “Could you help me with my overhead luggage?”
(上の棚の荷物を手伝ってもらえますか?)
ここまで押さえれば、空港で英語に詰まることはほぼなくなります。
空港英語は「会話」ではなく「手続き」です。感情よりも、明確さが優先されます。
まずはこの9フレーズだけを声に出して練習してみてください。出張当日の安心感が、まったく変わります。
第2章:ホテルでのフレーズ(9)
ホテルは、海外出張中に最も英語を使う場所のひとつです。
チェックイン、設備の確認、サービス依頼、トラブル対応…。実はここは、依頼・確認・軽い交渉の練習場でもあります。
ポイントは、「丁寧さを保ちながら、要件を明確に伝える」こと。ホテル英語は会話力よりも、構造のシンプルさが重要です。
基本は次の3パターンです。
- I have…(状況を伝える)
- Could I / Could you…(丁寧に依頼する)
- Is / Are… included?(条件を確認する)
この型を覚えるだけで、ほとんどのやり取りはカバーできます。
チェックイン・確認
チェックインでは、まず「予約している」ことをはっきり伝えます。“under the name”は必須表現です。
- “I have a reservation under the name [Your Name].”
([あなたの名前]で予約しています。) - “Could I have a room on a higher floor?”
(高層階のお部屋にしていただけますか?) - “Is breakfast included in the room rate?”
(朝食は宿泊料金に含まれていますか?)
ポイント:“included”は出張英語の重要単語。朝食・税金・Wi-Fiなど、すべて確認できます。
サービスの依頼
部屋に関する依頼は、感情を入れずに淡々と伝えるのがコツです。
- “Could you send an iron to my room?”
(アイロンを部屋に持ってきてもらえますか?) - “Can I get a late checkout?”
(レイトチェックアウトは可能ですか?) - “Is there a business center in the hotel?”
(ホテルにビジネスセンターはありますか?)
“late checkout”は出張で非常によく使います。会議後の移動日には必須です。
よくあるトラブル
トラブル時に大事なのは、「怒らないこと」。感情を乗せると伝わりにくくなります。事実+依頼の形で十分です。
- “The Wi-Fi in my room isn’t working. Could you help?”
(部屋のWi-Fiが使えません。対応していただけますか?) - “I requested a non-smoking room, but this room is smoking.”
(禁煙室をお願いしましたが、この部屋は喫煙室になっています。) - “The air conditioning is too loud. Can I change rooms?”
(エアコンの音が大きすぎます。部屋を変えられますか?)
コツ:「but」で事実を述べ、「Could you…」「Can I…」で解決策を提示します。これだけで十分通じます。
ホテル英語は、小さな交渉の連続です。ここで落ち着いて話せるようになると、会議や商談でも自然と自信がつきます。
次は、いよいよ本番。会議で使う英語に進みます。
第3章:会議でのフレーズ(12)
海外出張で最も緊張する場面が、会議です。
ここで求められるのは、流暢な英語ではありません。会議を前に進める英語です。
実は会議は、次の4つの役割ができれば回ります。
- ① 開始する
- ② 確認する
- ③ 意見を述べる
- ④ まとめる
この4つを押さえれば、英語が完璧でなくても「仕事ができる人」に見えます。
自己紹介・開始
第一印象は最初の30秒で決まります。短く、明確に、主語を入れて話します。
- “Hello, I’m [Your Name] from [Your Company].”
(こんにちは、[会社名]の[名前]です。) - “It’s a pleasure to meet you.”
(お会いできて光栄です。) - “Thank you for making the time today.”
(本日はお時間をいただきありがとうございます。)
“Thank you for making the time” は、フォーマル会議で非常に使える万能フレーズです。
議題の進行・確認
会議では「確認力」が信頼を生みます。聞き流さず、目的を明確にします。
- “Shall we move on to the next item on the agenda?”
(次の議題に進みましょうか?) - “Could you provide more details on this point?”
(この点をもう少し詳しく教えていただけますか?) - “Just to confirm, our goal is [goal], correct?”
(確認ですが、目的は[目的]で合っていますか?)
“Just to confirm” は誤解防止の必須表現です。特に契約・数字の場面では必ず使います。
意見・提案・合意
海外会議では、沈黙=同意ではありません。何か一言は発言しましょう。
- “I agree with your point, and I’d like to add…”
(ご意見に賛成です。付け加えると…) - “Could you clarify what you mean by…?”
(…の意味をもう少し説明していただけますか?) - “What are the potential risks of this approach?”
(この進め方のリスクは何が考えられますか?)
リスクを問う質問は、プロフェッショナルな印象を与えます。
締め・次アクション
会議で最も重要なのは「終わり方」です。合意事項を整理できる人が主導権を握ります。
- “Let’s summarize what we’ve agreed on.”
(合意した内容を整理しましょう。) - “We’ll follow up on these action items by 2026/02/15.”
(これらの対応事項は[日付]までにフォローします。) - “Thank you for your time and input.”
(お時間とご意見をありがとうございます。)
“follow up” はビジネス英語の超重要動詞です。会議後メールでも必ず使います。
会議英語の本質は、「正しい英語」ではなく「前に進める英語」。一言でも良いので、構造を意識して発言することが信頼につながります。
次は、出張中の関係構築に欠かせないネットワーキング英語です。
ここまで読んで、「自分はどの場面が弱いのか分からない」と感じた方は、一度タイプを整理してみてください。英語学習マッチング診断では、あなたのビジネス英語の課題タイプを可視化できます。
第4章:ネットワーキングでのフレーズ(12)
海外出張の成果は、会議だけで決まりません。
実は、コーヒーブレイクやレセプションでの5分間の会話が、次の商談を生むことがあります。
ネットワーキングで重要なのは、英語の上手さではなく自然さと距離感です。
流れはシンプルです。
- ① 挨拶・名刺交換
- ② 軽い雑談
- ③ 仕事の話へ自然に移行
- ④ 次につなぐ
この型を覚えておけば、沈黙に困ることはありません。
名刺交換・挨拶
最初の一言は、短く・笑顔で・ゆっくり。
- “Here is my business card.”
(こちらが私の名刺です。) - “May I have your business card?”
(名刺をいただけますか?) - “It’s great to meet you in person.”
(直接お会いできてうれしいです。)
“in person” を入れると、オンライン時代の今は特に好印象です。
会話の入り口(雑談)
いきなり仕事の話に入らないこと。まずは場の空気を整えます。
- “How has your trip been so far?”
(今回のご出張はいかがですか?) - “Is this your first time in [city]?”
([都市]は初めてですか?) - “What brings you here today?”
(今日はどんなご用件でこちらへ?)
“What brings you here?” は万能です。自然に相手の目的を聞けます。
共通点・仕事の話へ
相手に話してもらうのが基本です。ネットワーキングは“話す力”より“聞く力”。
- “What line of work are you in?”
(どのようなお仕事をされていますか?) - “How long have you been with your company?”
(御社にはどのくらい在籍されていますか?) - “I’d love to learn more about what you do.”
(お仕事についてもう少し伺いたいです。)
“I’d love to…” は、丁寧で前向きな印象を与える便利な表現です。
次につなぐ・締める
雑談で終わらせないこと。必ず“次”をつくります。
- “It was great talking with you. Let’s stay in touch.”
(お話しできてよかったです。今後も連絡を取りましょう。) - “May I email you after I get back?”
(帰国後にメールしてもよろしいですか?) - “Enjoy the rest of the event.”
(イベントの残りもお楽しみください。)
最後の一言で印象は決まります。笑顔+アイコンタクト+ゆっくり話す、これだけで十分です。
ネットワーキング英語の本質は、「流暢さ」ではなく安心感。短く、前向きに、次につなげる。これが海外出張で信頼を積み上げるコツです。
最後に、出張中に避けられない“トラブル対応”の英語を整理します。
第5章:トラブル対応のフレーズ(8)
海外出張で本当に焦るのは、英語が通じないときではなく、トラブルが起きた瞬間です。
フライト遅延、荷物未着、パスポート紛失。こうした場面では完璧な英語は不要です。
必要なのは、状況説明+具体的な依頼を短く言えること。長く話すほど誤解が増えます。
基本の型はこれだけです。
- ① 事実を伝える
- ② 何を求めているか言う
- ③ 次の手順を確認する
フライトの遅延・変更
空港では、冷静さが最大の武器です。
- “My flight has been delayed. What are my options?”
(便が遅れています。選択肢を教えてください。) - “Can I get an update on the new departure time?”
(新しい出発時刻の最新情報をいただけますか?) - “Will accommodation be provided if the delay is overnight?”
(遅延が一泊になる場合、宿泊は提供されますか?)
“What are my options?” は万能フレーズ。状況が変わっても使えます。
荷物の紛失・未着
感情的にならず、事実ベースで。
- “My luggage hasn’t arrived. Could you help me locate it?”
(荷物が届いていません。探すのを手伝っていただけますか?) - “I need to file a lost luggage report.”
(紛失荷物の申告をしたいです。) - “How long will it take to get my luggage back?”
(荷物が戻るまでどのくらいかかりますか?)
“file a report” は覚えておくと安心です。
緊急時(パスポート・体調不良など)
緊急時は、短く・明確に。
- “I lost my passport. What should I do?”
(パスポートを失くしました。どうすればいいですか?) - “Is there a hospital or clinic nearby?”
(近くに病院やクリニックはありますか?)
“What should I do?” は、助けを求める最もシンプルで強い表現です。
海外出張のトラブル対応で大切なのは、英語力より落ち着きです。
今日紹介したフレーズをいくつか頭に入れておくだけで、出張中の不安は大きく減ります。
完璧を目指さなくていい。
伝わる英語を、短く。
それが海外出張を成功させるビジネス英語の本質です。
最後に、この記事全体のポイントをまとめます。
出張前に、自分の「弱点タイプ」を把握していますか?
出張英語でつまずく原因は、人によって違います。
- 単語不足なのか
- 会議表現が弱いのか
- 瞬発的なスピーキングが苦手なのか
- 型が身についていないのか
闇雲に勉強しても、出張本番では不安は消えません。
まずは自分の英語タイプを可視化すること。
5分で、あなたに最適な学習法と伸ばすべきポイントが分かります。
次の海外出張までに、何を優先すべきかが明確になります。

